開設30周年記念

―熊本大学脳神経内科 開設 30 周年記念誌発刊に寄せて―

本誌をご覧いただく皆様に、日頃からのご支援とご協力に心より感謝申し上げます。熊本大学脳神経内科は1995年に第一内科神経グループから独立し診療科として発足しました。同年11月に内野誠教授が初代教授にご就任され、診療・研究・教育を一体化した体制が確立されました。2012年1月には安東由喜雄教授が第2代教授としてご就任され、国際的な研究成果をお上げになり、教室が大きく発展いたしました。2020年4月からは私が第3代教授としてその志を引き継がせていただいております。

開設以来、当教室はアミロイドーシス、脳血管障害、筋疾患などの神経疾患を中心に、臨床と基礎を結ぶ研究とその成果を活かした先進的な診療を進めてまいりました。現在も学内外の様々な教室、関連診療科、地域医療機関と連携、協力させていただき、高度な研究、最良の診療、次世代の人材育成を目標として活動を行っております。

本誌に記録された当教室の30年の歩みを改めて見渡しますと、多くの先生方が様々な思いをもとに、互いに支え合い、教室の文化を形作ってこられたことがわかります。教室を基盤として、様々な施設で神経疾患患者さんの診療活動、若手医師・研究者の育成、そして研究活動が展開されております。今後もより良い診療の実現を目指し、分野や国境を越えた連携を強めながら、診療・研究・教育の質向上に真摯に取り組んでまいりたいと存じます。

最後に、患者さんとご家族、各医療機関、各学会、行政、企業の皆様、そして教室員・同門の方々に心から感謝申し上げます。本誌がこれまで教室に関わってくださいました全ての方々への感謝を表すとともに、次の10年、20年に向けた新たな一歩を後押しする機会となれば幸いでございます。今後とも変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。

2025年10月

熊本大学大学院生命科学研究部 脳神経内科学講座 教授
植田 光晴



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