研究業績

発作性心房細動検出を目的とした長時間心拍モニタリングの有効性に関する前向き研究

受付番号/研究機関 ◆受付番号
先進 第1836号

◆研究期間
平成26年7月14日から平成30年7月31日まで
詳細

研究の目的・方法

脳梗塞の重要な原因となる不整脈の一つ、発作性心房細動を見つけるために、一番有効なのは、長時間心電図をとり続けることだと考えられています。

現在ほとんどの病院で、原因不明の脳梗塞の患者様には、24時間ホルター心電図という検査を受けていただいています。

しかし、原因不明の脳梗塞の患者様のうち、24時間ホルター心電図で発作性心房細動が見つかるのは10%前後と言われています。

24時間を超える持続心電図記録をすると、その検出率が数倍に上がるのですが、記録している間は入浴できない、解析に時間がかかるといった問題があり、あまり実用的ではありませんでした。

このような状況を受けて、最長1週間の長時間心電図記録装置と解析ソフトが新たに開発されました。

これは、電極を装着したままで入浴可能で、かつ短時間で発作性心房細動の有無を解析することのできるというものです。

この長時間心電図検査自体は、すでにわが国で認められている検査ですので、通常の保険診療の中で受けることができます。

今回、この新しい機器による長時間心電図を原因不明の脳梗塞患者様に受けていただき、検査を問題なく行うことができるか、正しく発作性心房細動を見つけることができるかどうか、検出率が従来のものと比べて高くなるかどうかを、過去の患者様と比較する臨床研究を計画しています。

この検査を受けていただき、臨床情報をご提供いただくことにより、本研究にご協力いただきたいと考えています。

この研究は、熊本市内の3施設で同時に行われる予定です。熊本市内の3施設で統一して用いられる調査票に、患者様の診療情報を記載して、登録します。

 

入院後できるだけ早期に長時間心電図検査を開始し、7日間電極を装着したままで過ごしていただきます。

検査中は電極を皮膚に残したままで接続部で切り離すことにより、シャワー使用や入浴も可能です。

検査終了後に記録機器本体を熊本大学神経内科に回収し、専用の解析ソフトで発作性心房細動の有無を解析します。

結果は速やかに担当医に報告され、担当医が総合的に判断した上で脳梗塞の再発予防薬を決定します。

 

研究の対象となる方

画像検査で脳塞栓症が疑われる急性期脳梗塞・一過性脳虚血発作のため入院された患者様のうち、過去に1度も心房細動が指摘されておらず、入院後の検査でも心房細動が見られない方に、研究へ参加していただきます。

 

研究に利用する資料・情報

主な調査項目を以下に記します。

今回、起こった脳梗塞・一過性脳虚血発作の状態と治療内容、性別、年齢、脳梗塞の危険因子、既往・併存疾患、飲酒などの嗜好、血圧・脈拍、血液検査所見、入院中に行われた検査所見、脈拍に影響する可能性がある治療薬の服用状況、入院中(あるいは外来初期治療中)の脳梗塞再発や出血合併症の有無などを記録します。

 

研究機関の名称並びに研究機関の長および研究責任者の氏名

研究機関の名称:熊本大学大学院

研究機関の長:生命科学研究部長 西村泰治

研究責任者:神経内科 教授 安東由喜雄

 

研究に関する資料の入手・閲覧について

本研究の研究計画書及び研究の方法に関する資料を、入手又は閲覧することができ ます。研究担当者までお問い合わせください。

 

個人情報の取り扱いについて

この研究に参加いただいた場合でも、患者様の診療情報は厳重に保護されます。

また、患者様の個人情報が外部に漏れることがないよう厳重に管理いたします。

この研究から得られた結果が、学会や医学雑誌などで公表されることがあります。

このような場合にも、患者様を特定できる個人情報が使われることはありません。

 

利益相反について

この研究は、脳梗塞患者様の予後を改善することを目的とし、医師主導で行われます。

熊本大学では、より優れた医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。

そのための資金は、公的な資金以外に企業からの寄付(外部資金)や契約でまかなわれることもあります。

現代では医学研究の発展にとって、企業との連携は必要不可欠なもので、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。

一方で、産学連携を進めた場合、患者様の利益と研究者や企業の利益が相反(衝突)する状態が起こる可能性があります。

このような状態を「利益相反」と呼びます。

そのような状況では、臨床研究が企業の利益のためになされるのではないかとか、研究についての説明が公正に行われないのではないかといった疑問が、患者様や一般の方に生じることがあります。

そのためヘルシンキ宣言では、「臨床研究においては、被験者に対して、資金源や起こりうる利害の衝突(利益相反)について十分な説明がなされなければならない」と定めています。

これに対応して、熊本大学では、「熊本大学利益相反ポリシー」が定められました。本臨床研究はこれらの指針に基づいて実施されます。

本臨床研究に使用する検査機材の一部(電極シールや機器ケースなど)は、本検査装置を開発した日本光電工業株式会社から提供されたものを使用いたします。

しかしながら、それ以外に同社からの金銭等の寄付は一切受けていません。

本臨床研究の利害関係の公平性については、熊本大学大学院生命科学研究部等臨床研究利益相反審査委員会の承認を得ており、当該研究経過を熊本大学生命科学研究部長へ報告すること等により、利害関係の公平性を保ちます。

 

お問い合わせ対応窓口

研究担当医師:中島 誠 (神経内科)

住所:熊本市中央区本荘1-1-1

電話番号:096-373-5893(夜間、休日 096-373-7021 神経内科当直医)

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