研究業績

脳卒中研究者新ネットワークを活用した脳・心血管疾患における抗血栓療法の実態と安全性の解明(BAT2 研究)

受付番号/研究機関 ◆受付番号
倫理 第1220号

◆研究期間
2016年9月8日から2020年3月31日まで
詳細

研究の目的・方法

抗血栓薬とは、血管の中にできる血液の塊(血栓)をできにくくする薬です。 抗血栓薬は、血管が詰まることが原因で起こるいくつかの病気(脳梗塞などの脳⾎管障害や心筋梗塞などの心血管病)を予防するために必要な薬です。 しかし一方で、抗血栓薬には出血しやすくなるという副作用もあります。 近年、わが国では数種類の抗血栓薬が新たに使用可能となりました。 これらの新薬は、患者様を対象とした臨床試験(治験)において、従来の薬に劣らない予防効果があり、出血の合併症も多くはないことが証明されました。 抗血栓薬は予防のための薬ですので、副作用、特に出血が起こるのは望ましくありません。 私たちのこれまでの研究により、抗血栓薬による出血を起こしやすい方の特徴(高齢者、血圧が高い等)が少しずつ明らかになってきました。 しかし、新薬が次々に登場している現状では、過去の研究結果をそのまま臨床判断に用いることはできず、医師が目の前の患者様に抗血栓薬を用いるべきか否か、用いる場合には、その種類や投与量をどうすべきか判断に迷う場合も少なくありません。 抗血栓薬の出血合併症で重要なものの一つとして脳出血が挙げられます。 抗血栓薬服用中に脳出血が起こると、出血が止まりにくいため、症状が悪化しやすく、重篤な後遺症や死亡をきたす可能性が高いことが分かっています。 最近の研究により、脳 MRI 検査で無症状の小さな出血や細い血管の病気がある人が、脳出血を起こしやすいのではないかと考えられていますが、まだ十分明らかになっていません。 そこで、今回、私たちは、抗血栓薬服用中の多くの患者様の詳細なデータを多数の施設で持ち寄り、その結果を確かめて分析し、広く公表する必要があると考えました。 この研究では、脳血管障害や心血管病の予防を目的とした抗血栓薬治療の実態(薬の種類、投与方法、検査結果、合併症など)を国内の多施設で協力して調べ、出血合併症を主とした安全性を明らかにすることを主な目的とします。 そして、研究成果をもとに、日本の診療実態に即した出血合併症予測の方法を開発し、治療の指針を国内外に提唱します。 国内約50の施設で同時に研究を行い、全体で6,000 名の方に参加していただく予定です。研究に登録されてから、半年毎に最大2 年間経過を観察します。 方法:実態調査であり、特定の治療法、薬剤を用いる試験ではありません。   (1)参加施設で統一して用いられる調査票に、患者様の診療情報を記載して登録します。 調査票には、性別、年齢、人種、抗血栓薬内服に関連する情報、既往・併存疾患、飲酒・喫煙などの嗜好、血圧、脈拍、血液検査結果が記載されます。また、撮影した頭部MRI 画像を収集します。   (2)登録の6 か月後、1年後、1年半後、2年後の患者様の状態を、電話・手紙や外来の診察で確認させていただきます。 2年後までに出血合併症や脳血管障害・心血管病が起こった場合は、その時点で内容(再発脳梗塞や出血の性状、急性期治療内容、その後の身体状態)を調べさせていただきますので、当院以外で診療を受ける場合には御連絡下さい。   (3)この研究に参加することで、抗血栓薬を含めた特定の治療が強要されることは決してありません。 研究に参加中、担当医師の判断で抗血栓薬を中止する場合もあり得ますが、その場合も継続して経過を観察させていただきます。  

研究の対象となる方

この研究は、脳血管障害(脳梗塞、一過性脳虚血発作)や心血管病(冠動脈疾患、末梢動脈疾患、深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症)を予防するために抗血栓薬を内服している方を対象とします。  

研究に利用する資料・情報

上述の通り、調査票には性別、年齢、人種、抗血栓薬内服に関連する情報、既往・併存疾患、飲酒・喫煙などの嗜好、血圧、脈拍、血液検査結果が記載されます。 また、撮影した頭部MRI 画像を収集します。  

研究機関の名称並びに研究機関の長および研究責任者の氏名

研究機関の名称:熊本大学大学院 研究機関の長:生命科学研究部長 西村泰治 研究責任者:神経内科 教授 安東由喜雄  

研究に関する資料の入手・閲覧について

患者様が希望する場合には、ほかの患者様の個人情報の保護等に支障がない範囲内で、この臨床研究の研究計画書などの資料を閲覧することができます。  

個人情報の取り扱いについて

本研究で得られた試料や情報は、他の医学研究を行う上でも重要なデータとなる可能性があります。 そのため、将来的に、本研究の当初の目的とは違う目的で、本研究の試料や情報を改めて解析する場合や、他の研究者と試料や情報を共有する仕組みを作って、脳卒中を含む脳研究の発展とよりよい治療法の開発に資する研究のために活用させていただくことがあります。 試料・情報の活用にあたっては、関係法令および国内外の倫理指針を遵守いたします。また、個人が特定されない形で活用いたします。 この研究の結果として特許権等が生じる可能性がありますが、その権利は研究遂行者などに属し、患者様には属しません。  

利益相反について

この研究は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」およびヘルシンキ宣言の倫理的原則を遵守して実施されます。 当院の倫理委員会等で研究計画書の内容及び実施の適否などについて、科学的及び倫理的な側面が審議され承認されています。 また、研究計画の変更、実施方法の変更が生じる場合には適宜審査を受け、安全性と人権に最大の配慮を致します。 本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)から提供された資金を元に、国立循環器病研究センターが研究の運営と管理を支援します。 研究協力者である熊本大学大学院神経内科学分野に対しては、AMEDからの資金提供は一切ありません。 なおAMED は正しい診療の根拠となる情報を得るにするために資金を拠出するものであり、AMEDの意向が本研究の成果やその解釈に影響することはありません。 本研究に関する利益相反に関しては、本研究に係る者が所属する各機関の取り決めに従い、適切に管理されるように努めます。 また、利益相反により被験者に不利益がもたらされることはありません。  

お問い合わせ対応窓口

研究担当医師:中島 誠 (神経内科) 住所:熊本市中央区本荘1-1-1 電話番号:096-373-5893(夜間、休日 096-373-7021 神経内科当直医)

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